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今日の献立
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新年あけましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりありがとうございました。
本年も変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

よいお正月をお過ごしですか?
今年も皆さまにおいしくて身体に良いお弁当をお出しできるよう頑張っていく次第であります。

ブログを始めて1年が過ぎました。
毎日たくさんの方に来ていただき、大変嬉しく思っております。

今回は昨年暮れに作りました、おせちの解説をしたいと思います。
毎年おせちに付けております料理解説ですが、今年はギリギリまで献立の変更を余儀なくされました。
よって、献立のみで解説がなかったのでここに記します。

osechi1.jpg 二段重 三万円 桐重箱

【平成二十二年 おせち こだわりの料理解説】

〔丹波黒豆〕 京丹波の大粒の新豆を米のとぎ汁で一昼夜かけて戻し、アクを取りながらコトコト煮ること丸三日、十分柔らかくなってから赤ザラメ糖と醤油で味付けしました。

〔伊勢海老酒蒸し〕 活けの伊勢海老を、酒・醤油・味醂で煎り煮にしました。

〔車蝦(クルマエビ)艶煮〕 活けの熊本産の車蝦の背ワタを取り、出汁・酒・醤油・味醂で艶煮にしました。

〔塩イクラ〕 北海道産の秋鮭の卵をバラバラにほぐし、酒で洗って塩をしました。

〔鮑(アワビ)の柔らか煮〕 活けの鮑を大根おろしと共にサッと蒸し、酒水に出汁昆布と大根の輪切りと共に鮑を入れます。コトコト煮ること約5時間、鮑が十分柔らかくなったら、塩と醤油で味付けして一晩寝かせました。

〔堀川牛蒡(ゴボウ)和牛射込み〕 堀川牛蒡を米糠で下茹でし水にさらします。くり抜き棒で中心を抜き、出汁八方で煮含めます。黒毛和牛の脂身を掃除し、時雨煮にします。煮上がった牛蒡に時雨煮を詰めて出来上がりです。

〔水晶銀杏〕 大粒の藤九郎銀杏の鬼殻を割り、中の実を取り出します。サッと湯がいて薄皮を剥き、酒塩で煎り煮にしました。

〔菜の花昆布〆〕 菜の花をサッと茹でて塩をし、真昆布で挟んで昆布〆にしました。

〔牡丹百合根〕 百合根のおが屑を洗い流し牡丹に包丁して蒸します。蒸しあがったらシロップに漬け込みます。

〔栗茶巾〕 国産の栗(銀寄)を甘露煮にし、裏ごして茶巾にしました。

〔紫芋茶巾〕 紫芋の皮をむき蒸します。細かくつぶして茶巾にしました。

〔百合根茶巾〕 蒸した百合根に塩と砂糖で味付けし、細かくつぶして茶巾にしました。

〔天然鰤(ブリ)照焼〕 近海物の天然の鰤に薄塩し半日ほどタレに漬け込み、炭火で照り焼きにしました。

〔鰆(サワラ)の味噌柚庵焼〕 鰆に薄塩をし、幽庵地に柚子の輪切りと共に漬けこみ炭火で焼きました。

〔白甘鯛塩焼〕 一汐にした白甘鯛を数時間風干しにし、炭火で焼き上げました。

〔玉子蒲鉾〕 地鶏の有精卵の黄身だけを使い、鱈(タラ)と愚痴(グチ)のすり身と山芋を練りこみ、味を調えてオーブンで焼きました。

〔味噌松風〕 鶏ミンチに八丁味噌・山芋・レーズン・百合根を練りこみ、山椒などで味付けしオーブンで焼きました。

〔干し数の子〕 今や幻と言われる干し子を4~5日かけて戻し、土佐地に二度漬けしました。やはり干し子は歯ごたえが違います。


〔唐墨(カラスミ)〕 近海物の鯔(ボラ)の卵巣を塩漬けし、酒で洗って天日で干した高級珍味です。
※ちなみに日本三大珍味とは・・野母(のも)の唐墨・尾張の口子(クチコ)=海鼠(ナマコ)の卵巣・越前の海胆(ウニ)

〔蒸し海胆(ウニ)〕 非常に貴重な徳島産の海胆を蛤(ハマグリ)の殻に乗せ塩蒸しにしました。

〔狭腰生寿司(サゴシキズシ)〕 近海物の狭腰(鰆の幼魚)を塩で締め、合わせ酢に半日漬けました。

〔春子鯛(カスゴダイ)生寿司〕 小ぶりな明石鯛を塩で締め、合わせ酢に数時間漬けました。

〔諸子(モロコ)南蛮漬〕 琵琶湖産の諸子にくず粉をまぶし二度揚げし、南蛮酢に漬けました。

〔酢蓮根(レンコン)〕 蓮根の皮をむき酢水にさらし、サッと湯がいて甘酢に漬けました。

〔菊花蕪〕 蕪をさいの目に包丁し、塩水に漬け、しんなりしたら絞って甘酢に漬け込みます。

〔長老喜(チョロギ)〕 今年は松坂農園様にお願いして作っていただきました。チョロギを掃除して洗い、サッと茹がいて丘上げし、甘酢に漬け込みました。

〔早掘り筍〕 福岡産の小ぶりの筍を糠茹がきし、土佐煮にしました。

〔有機蒟蒻(コンニャク)〕 国産有機栽培の蒟蒻芋から作った蒟蒻です。普段お弁当に使っている蒟蒻も国産ですが、これは5倍の値がします。じっくり4時間かけて煮ました。

〔蓮根いとこ煮〕 蓮根の穴に小豆を詰め、ガーゼで包んで煮ました。

〔花慈姑(クワイ)〕 花形に包丁し、クチナシの実で色づけした後、炊きました。

〔海老芋〕 京海老芋を米のとぎ汁で下茹でし、旨煮にしました。

〔梅人参〕 梅形に包丁した金時人参を下茹でし、梅干と共に炊きました。

〔冬姑(ドンコ)椎茸〕 肉厚の国産干し椎茸を水で戻し、戻し汁で甘露煮にしました。

〔鯛の子〕 今の時期に鯛の子はありません。市場では鱈子を鯛の子と呼んでいます。生の鱈の子を下茹でし、出汁に生姜をきかせて含め煮にしました。

〔棒鱈(ボウダラ)〕 稚内産の棒鱈を米のとぎ汁で戻し旨煮にしました。

〔鳴門穴子〕 瀬戸内産の穴子を掃除し、クルクルと巻いて炊きました。

〔昆布巻鰊(ニシン)〕 下ごしらえした鰊を棹前(サオマエ)昆布で巻き、干瓢(カンピョウ)で結び、じっくり煮ました。 

 
以上

私も歳でしょうか?
年々、徹夜するのが辛くなってまいりました。
毎年、来年はやめようと思うのですが、年末になるとまた作りたくなってしまいます。(笑)
実はおせち作りが大好きなんです。
普段、触れない高級食材を料理するのはワクワクします。
昔は毎日扱っていたのですが・・・
ご注文を下さった沢山のお客様、ありがとうございました!

最後に・・・【出汁の話】

shibi.jpg

普段、お弁当には当店オリジナルの削り節で出汁をひいています。
かつお・あじ・さば・いわし...など、特別にブレンドしている削り節です。
しかし、年末のおせちだけは、最上の削り節を使います。
以前の料理屋でも使っていた「しび節」という、横輪(ヨコワ・黒鮪(マグロ)の子)の削り節です。
この出汁はものすごく上品で繊細な香りがします。
実際、真っ白です。
久しぶりにこの香りに浸り、白木のカウンターの前で仕事をしている気分になりました。
一度、このお出汁で作ったお味噌汁を、皆さんにも振る舞いたいものですね。

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焼物の一つに加える、近海物のぐじ(甘鯛)です。
甘鯛(アマダイ)のことを関西では「ぐじ」と呼んでいます。
皆さんはご存知でしょうか?

実は早朝に仕入れに行ったのですが、使う予定だった真名鰹(マナガツオ)がありません。
しばらく散策していると、極上のぐじ(1kg以上)を見つけました。
それも最上級の白アマです。
※甘鯛には、白・赤・黄とありまして、それぞれ色がちがいます。ちなみに白が最上です。

予算オーバーですが、普段はなかなか手にできない魚ですので、思わず買ってしまいました。
スーパーなどにはあまり並んでいない魚ですし、居酒屋などにもありません。
この魚も料亭向けの魚ですかね?


guji.jpg 朝から捌いて一汐にし、サッと風干しました。
店の営業は25日で終わりましたが、まだ、おせち作りという大仕事が残っております。
写真は福岡県から届いたばかりの新筍です。
掌に乗るぐらいの小さな筍ですが、今の時期の国産は驚くほど高値です。
さっそく糠湯がきしました。

〔こだわりのおせち材料 4〕


shintake.jpg 雪中筍 10kg
おかげさまで、おせちのご予約の受付を終了させていただきます。
ご予約下さったお客様、ありがとうございました。
昨年、ご注文なさったお客様が、また今年もご注文を下さり大変ありがたく思っております。
中にはおせちを初めて20年以上になりますが、初回からずっと注文なさっている方もおられます。
ご期待に添えるよう頑張りたいと思います。

実は沢山の方にチラシやパンフレットのようなものはないかと尋ねられたのですが、あいにくそのようなものはご用意しておりませんでした。
料理屋時代の名残りからか、毎年、暗黙のうちにお客様よりご注文をいただくものですから・・・
おせちで儲けようなどという気持ちがまったくなく、商売気のないことで大変申し訳ございません。
(実はポンズもそうです。笑)

〔こだわりのおせち材料 その2〕

当店は京丹波 小田垣商店の黒豆を使っています。

kuromame.jpg 小田垣商店 http://www.odagaki.co.jp/

よく、丹波黒豆として売っていますが、本丹波産がそんなに沢山あるのでしょうか?
実は丹波の黒豆の種をまき、他府県で作っている黒豆が多数あります。
ラベルに丹波と表示があっても、裏を見れば他府県?・・・おかしなもんですね。

丹波地方は寒暖の差が大きく、土や水が黒豆の栽培に適した環境だそうです。
しかし今年も昨年に続き、夏場の天候不良などで出来は良くなかったようです。
農家さんの懸命の努力もあり、なんとか出荷できるようになりましたが、自然のものは難しいですね。
あとは料理人のうで?ですかね。
(;^_^A
今回はお重とは別に、瓶詰めにしてお付けいたします。

本日は、シラスご飯です。
和歌山県産の浜茹でシラスを使います。
シラスとは鰯(イワシ)の稚魚をサッと塩茹でにしたものです。
このシラスをお出汁で炊飯し、上がりに軸三つ葉をちらします。
小さな魚体ですが、想像以上に旨みのある炊き込みご飯です。

◆おかず◆ 蕪の旨煮 貝割菜の胡麻和え 竹輪の磯辺揚げ

◎本日の価格 480円

【ポンズ完売のお知らせ】

今年三度目のポンズの仕込みが終わりました。
今回もおかげさまで早々に完売しました。
どうもありがとうございます。
今回も、柚子・酢橘(スダチ)・橙(ダイダイ)・夏柑の果汁に、米酢(千鳥酢)・本醸造醤油(本膳)・純米酒・当店オリジナル削り節・道東産真昆布といった素材で作りました。
もちろん添加物やアミノ酸(科学調味料)は使っておりません。

前回は本膳をご紹介しましたが、今回は千鳥酢です。
京都三条にある村山造酢が作っている米酢です。
材料は白米と酒粕のみで、米酢独特のツンとした匂いがなく非常にまろやかなお味です。
私も当初は柑橘の絞り汁だけでポンズを作っていましたが、この千鳥酢の甘みとコク、まろやかさが気に入りました。
千鳥酢を配合することによって、非常に香りよく味に深みがでました。

tidori.jpg 小瓶もあります。

ポンズを自家製するようになって20年余り、当初は店内で使うためだけに作りだしたオリジナルポンズですが、徐々にお客様から分けてほしいという声をいただきまして、だんだん数が増えていきました。
小さな樽で作るだけですので、あまり数が作れません。
たくさんご注文をいただいたのですが、お断りしたお客様には大変申し訳なくおもっています。

もともとは白身魚のお刺身をおいしく食する為に開発したポンズです。
今でしたら、平目や真鯛、河豚の薄作り、酢牡蠣(すがき)などでしょうか?
もちろん、お鍋にも良いのですが、どちらかと言えば上品であっさりめの料亭の味つけです。
(お鍋の白菜や白葱、椎茸などを食べてみて下さい。ポンズの香りと旨みがダイレクトに味わえます)

添加物やアミノ酸を使った市販のポンズにはない本物の味(自然の味)ですが、市販のものに慣れてしまった方には物足りないと思われるかもしれませんね。
実は過去に一度、試しにアミノ酸を使ったことがあるのですが、味が尖って使えたものではありませんでした。
自然のもので調和がとれている中に科学的なものが入ると、調和が乱れて台無しになってしまいます。
しかしながら市販のメーカーさんはなぜ使うのか?
安価で手っ取り早く消費者好みの味に仕上げられるからかもしれませんね。
添加物に慣れ親しんだ現代人にも問題があるのでしょうか・・・
しかし当店のお客様はお口の肥えた方が多く、その感想をお聞きし嬉しく思っております。
当店はお弁当やどらぼんにも添加物やアミノ酸は使わずに、安全、安心な食品作りを続けてまいります!


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プロフィール
HN:
しきしき
年齢:
17
性別:
非公開
誕生日:
2007/10/08
職業:
料理家
趣味:
料理とお菓子の研究
自己紹介:
以前はこだわりの料理屋を営んでおりましたが、より沢山の方に召し上がっていただきたく、炊き込みご飯と雑菓子の店を本町にオープンいたしました。どうぞよろしくお願いいたします。

<営業時間>
11:00より売り切れ次第終了

<定休日>
土・日・祝祭日

<所在地>
大阪市中央区久太郎町2-5-18

<電話>
(06)6245-5636

<ご予約>
8:00~11:00までにお願いいたします。
バーコード
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